naotsune’s blog

横浜のとあるおじさんの日記

部屋にある二つの死体

私の部屋の押し入れには、透明な衣装ケースに女性の死体が一体とケースには入れずにもう一体、合計二体。まだ死臭をそれほど放っておらず、しかし時間の問題であるため、私は衣装ケースにサランラップを巻き付けるか、もしくは遺体をポリ袋に入れようか悩んでいる。まだなんとか大丈夫なので放置したままであるが、問題は私が留守の間に死臭が強くなり、そのうち誰かに匂いを嗅ぎつけられて通報され警察に踏み込まれることを恐れている。私は部屋に防犯カメラを取り付けようか悩んでいるが、警察に踏み込まれたことを防犯カメラで観察しても何の役にも立たず後の祭りでしかないのであるが、帰宅したときに警察の待ち伏せに遭うことくらいは防げるだろうか。

 遺体の主のうち一人はかつて交際した女性であるような気がするが、わたしが殺したわけではなさそうであり、遺体を隠し続けることに罪悪感や悲しみといった道徳的な感情は一切存在しない。ただ、秘密を一生隠し続けるとこの十字架について認識しており、このことへの不安感をとても大きく感じているが、それを以てしても現世の生活を脅かさないことが第一であると考えてあるため、罪を告白すべきとは考えていないようである。

そのほか、私が死体を抱えていることを他人に気づかれることへの手がかり、また私と被害者との関係を証明する証拠といったものを抹消することには成功しているようだ。

ただ、一生秘密を隠し続けることへの不安、もしくは人を殺めるという取り返しの付かない罪を犯してしまった事への悲しみと自己への絶望感、このなんとも形容しがたい感情のまま目を覚まし、すべて夢であったことに気づき安心する。この類の夢をたまに見るのである。もしかしたら私はすでに罪を犯し、体よく記憶を消し去ってのうのうと生きさらばえているだけではないか?もしくは夢だと思っている方が真実であり、私は現実逃避のためにこちらの世界に逃げ込んできただけなのではないか?